久納にあやかって、テレワークについて文章を書いてみる。GWももう終わりだ。
私は詩を書く人間であるが、同時にITエンジニアとしての顔も持つ。そして奇遇にも私はテレワーク環境を構築できる人間であった。
目まぐるしい世界変転の中で、三月から四月にかけて、就業先会社でテレワーク環境を構築した。利用者1000人規模の環境だ。私の仕事の成果ひとつで、就業先会社のテレワーク環境の品質、多くのひとの感染リスクの軽減、業務生産性の維持はかかっていた。結果的には、非常に良い環境を構築できた。
ここでは、私がどのような仕組みのテレワーク環境を構築したかを簡単に記そうと思う。
まず、テレワークの仕方にも色々ある。単純にPCを自宅に持ち帰って仕事をするケースもあるだろうが、セキュアな仕事を求められる現場やケースでは、そうもいかない。持ち帰ったPCを紛失したら、PCがウィルスに罹患して業務情報が漏洩したら、そのリスクは計り知れない。
そのため、テレワークをするのであれば、バーチャルデスクトップインフラストラクチャー(VDI)という仕組みを利用することが推奨される。
VDIとは、簡単にいえば仮想のパソコンのことだ。ネットワークにアクセスして使えるパソコンだと思ってもらえればいい。手元にある物理パソコンにはデータは何一つ入っていなくても、ネットワークさえあれば、この仮想のパソコン(VDI)にアクセスして仕事をすることができる。

手元の物理パソコンにはデータを保存する必要がないので、紛失してもセキュリティリスクはない。利用者は特別なセキュリティ権限を持つデータが空っぽのパソコン(iPhoneでもいい)を自宅に持ち帰り、ただ接続先のアドレス情報と、自分のアカウントIDとパスワードさえ覚えていればいいのだ。
VDIにさえ接続できれば、利用者は自宅から会社内の情報にアクセスできる。会社内のサーバからファイルを取得もできるし、社内メールも利用可能だ。
このように、セキュリティリスクを回避しつつ、テレワークをするのには、VDIという仕組みは非常に役立つ。
VDIがよりポピュラーな技術・手段として日本に広く定着をすれば、現在の大変な社会情勢をより多様なかたちで切り抜けることができるだろう。
残念ながら、現場仕事の多い職業に勤める方々には効果が及ばないものの(頭が上がらない)、パソコンを利用するような就業者にとっては、通勤のリスクや時間と費用のコストが解消され、自宅や様々な場所から仕事ができるようになり、今まで以上に素晴らしい仕事の成果が出せるようになるだろう。
より余裕のある仕事環境の整備は、より豊かな生活を育む。それは創作者や文学研究者にとっても大変有意義な効果・影響があるはずである。
惨禍を退け、遊びのできた時間を使い、庭の花に水をやり、詩や論文をひとつでも多く読める社会を目指していきたい。