短歌10首 たましひを焚く(執筆者:久納美輝)

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植ゑ込みに暇人四人(よたり)が凭れるをカフェゆ眺めて指先に撃つ

青々とまつすぐ立てりひと日ごとにたましひを焚く蝉の鳴く木は

五月雨の夜に大きく手を広げ「もう死ぬわ」つて蛙が死せり

コロナ禍に大雨も降り短冊の重みに笹はしなつてしなつて

急行を俺が俺がと急ぎ合ふ誰も俺らのゆくへ知らずも

君の手を握らば糸を引きさうな両手をズボンにしまつて歩く

窓を打つ雨音聴きてさらさらと砂糖をそそぐ感じに眠らむ

バニラの香漂ふ古書を夜ひらくこそばゆき鼻の頭を掻きつつ

長雨の紫陽花の花序のきみどりを広野とおもふ蟻の駆ければ

うつしみの柔きわが身を湖に写さば腐(くた)してゆくゆふまぐれ

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