#73 アナコンダから秋へ(執筆者:久納美輝)

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このところずっと棘の生えたアナコンダが首に巻き付いている。シュー、シューと呪詛を吐きながら、肩甲骨の下に鈍い痛みを走らせる。電流は肩を背筋を、目を駆け巡り、脳にスクリーンを投影する。

例えば、俺が過去にいろいろやらかしたことや、他人に放った暴言なんかをいちいちに、虫眼鏡で光を集めてじりじり脳みその襞を焼いている。おれは眼球をカッと開かれて、見させられているのだ。なにを、過去を。

くたくたに疲れちまっているときは、目が後ろ向きについているかのように反省ばかりし始める。ぐるぐる振られた女に言われたことや、昔、祖母に言われたこと。その他、さまざま。そのときに考えてたことなんてすでに忘れちまった。

今は、ただただ積乱雲がもくもくと空に広がっていき、いらだちを代弁する雷が荒れている心をグサグサと突き刺している。なんて、不快感、なんてストレス。オブジェクトを持たない怒りは、ストレスのはけ口にしかならない。

コーヒーに水を足して飲んで心を落ち着ける。最近はちょっとしたビーカーぐらいの、プラスチックサイズのプロテインの容器にコーヒーを入れているんだが、水とコーヒーを7:3ぐらいの割合で入れているんだが、心が荒んでいくばかりだ。カフェインを絶たなきゃならない。じゃあ、一体、何を飲んだらいいんだ?

秋がなく、急に冬になった。コーヒーを薄めて、ぼんやりと眺めていた。今日は、いろいろ会社のPCのデータの保管場所をエクセルにまとめたりしなくちゃならなくて、このデータは自分が持っててもいいやつだっけ?とか考えながら整理していて、結局、めんどくさくなって、全部、不要なファイルは全部消しちまった。

データの整理をしていると、自分のメールからデータが漏洩して、みんなから責め立てられる。そんな妄想が頭を支配していた。データはローカル環境に置いてていいんだっけ?それともサーバーに入れておくんだっけ? 前、説明を受けたはずだが、同じ説明を何どもするなと言われそうで、結局、怖くて聞けなかった。

疲労がピークに達すると恐怖が増大する。ちくしょう。余計な事を考えていたら、全然、原稿が進まねえじゃないか。だけど、書くことで溜まったストレスを書くことでしか、解消できないなんて。まったく因果な体質だぜ。

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