加藤孝男著『曼荼羅華の雨』抄

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書肆侃侃房、2017年9月

 

      銀河詩片

      *

この澄んだ地球の外にあるといふ耳のごとくに開いた宇宙

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ハナミズキ巻けるしら花ひとひらのその渦のなか銀河はひかる

      *

たましひは転調をなしすべりゆく銀河に満ちる時間のなかを

      *

ハップルズ望遠鏡の映し出す蒼きうなじのごとき星々

      *

群青の水の球体浮かびゐてその網膜にひとら諍(いさか)ふ

      *

倒木の根もとに生ふるひかり苔そこより宇宙は縦横無尽

      *

その昔月に刺さりし宇宙船墓標となりて今宵満月

      *

植物の胚珠のうちの空(くう)にして紺にひろがる宇宙を映す

      *

銀河より晩夏の雨は地にそそぐ夏の愁ひを浄めるごとく

      *

アンドロメダ大星雲との衝突も四十億年の後にして夢

      *

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「読売新聞」2017年9月24日

歌集「曼荼羅華の雨」の批評は、東郷雄二氏(京都大学名誉教授)が、短歌批評サイト「橄欖追放」で、丁寧に論じて下さっています。そのサイトは、以下です。

http://petalismos.net/tag/%E5%8A%A0%E8%97%A4%E5%AD%9D%E7%94%B7

「週刊新潮」、俵万智さんの連載です。
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